学生のための歩き方ガイド
積極的に質問-思わぬ発見
●高精度・短時間・大量・安定
金属を大きく変形させると元の形に戻りません。このように材料が永久変形する性質を「塑性」と呼びます。金属の塑性を利用して、板材やブロック材を所望の形状に加工する技術が塑性加工です。塑性加工では材料はさまざまな加工工程を経ます。材料メーカーで生産された材料を適切な大きさに切り分ける切断工程、素材に形状を付与する成形工程(絞り、曲げ、鍛造、引き抜き、押し出しなど)、その後必要に応じて最終工程(決め押し、バリ除去、表面処理など)により製品が製造されます。塑性加工で最も重要なのは、精度のよい製品を短時間で、大量に、かつ安定して生産できる鍛圧加工機械の開発です。
●“モノづくり立国”体感
わが国には、安定した材料の量産製造技術、高精度な加工技術に裏付けられた優れた金型製造技術、精度のよい製品を大量生産できる信頼性・耐久性に優れた加工機械製造技術が保有されており、これらの高度な技術の総合力が“モノづくり立国”を築き上げてきました。MF-TOKYOは2009年に第1回が開催されて以来、優れた鍛圧加工機械の最先端技術を紹介する専門イベントで、世界各国から注目されています。
日本鍛圧機械工業会は、将来の“モノづくり立国”を支える学生の皆さんが鍛圧加工技術により深く親しんでいただけるように、各社の展示製品・技術・見どころを紹介した展示会ルートマップを作成しました。まず見学に入る前に、MF-TOKYOウェブサイト冒頭ページのメニュー「来場のご案内」の「出展者一覧」を、ぜひご覧ください。参加企業名とともに各企業の技術の特徴や見どころが一覧できます。
●最先端の機械と技術
次に、ブース番号4-20の日本塑性加工学会のブースで、展示会ルートマップとオリジナルトートバッグを入手して、ゾーンに沿ってご見学下さい。プレゼントマークの付いているメーカーブースでは、皆さんに記念のノベルティーが用意されています。ノベルティーを集めながら、各ブースで最先端の鍛圧加工機械と加工技術に直に触れて下さい。そして展示を見るだけではなく、各企業の説明員の方にぜひ積極的に質問してみましょう。喜んで回答してくれることでしょう。思わぬ発見があるかも知れません。
そのほか、講演会、学会テクニカルセミナー(東4ホール)、出展者テクニカルセミナー(セミナー会場A(東6ホール)、セミナー会場B・C(東8ホール))などの企画も盛りだくさんです。皆さんの興味に応じて聴講されることをお勧めします。鍛圧加工技術の最新動向を得ることができるでしょう。
【執筆者】東京農工大学 工学研究院先端機械システム部門 教授 桑原利彦氏