人と地球にやさしい技術、確かな未来のために
次世代の加工技術 発信
MF-TOKYOは2009年から2年に1度のペースで開催されてきた。リアル開催は今年で7回目を迎える。国内外から270社・団体、1677小間が出展する(6月28日現在、内部出展・共同出展含む)。
プレス機械や、レーザー加工機を含む板金機械、フォーミング機械が集結するほか、周辺機器・技術も披露される。
生産性向上や加工精度の追求はもちろん、国連の持続可能な開発目標(SDGs)やカーボンニュートラル(CN、温室効果ガス排出量実質ゼロ)実現に応える鍛圧機械や関連機器が多く見られそうだ。
併催行事では、特別講演が2タイトル行われるほか、日刊工業新聞社発行の雑誌『プレス技術』『型技術』の執筆陣の中から3人が登壇し、中小企業が”次世代の加工メーカー”としてさらに躍進するために必要な情報を発信する。学会や出展者によるテクニカルセミナーは合わせて98タイトルと充実しており、来場者のさまざまな課題解決のヒントとなるだろう。
日本鍛圧機械工業会 会長 北出 安志
前回(2021年)の「MF-TOKYO」は、コロナ禍や東京五輪・パラリンピック開催延期の影響により、オンラインで開催しました。今回、リアルでの展示会としては4年ぶりとなり、過去最大となる5ホールを使用し、可能なかぎり盛大に実施したいと考えています。来場者数もリアル開催した19年(3万113人)を上回る、過去最高となる3万2000人を見込んでいます。
展示会の副題には「人と地球にやさしい技術、確かな未来のために」を掲げました。カーボンニュートラルやSDGsを意識しており、環境負荷低減など社会課題の解決に貢献する技術や製品に関する展示に期待しています。例えば板金系機械では二酸化炭素(CO2)レーザーからファイバーレーザーへの切り替えによる、電気使用量の削減などが想定されます。今後増えていく電気自動車(EV)などの環境関連製品の部品加工に適した機械も注目です。
このほか、労働人口の減少でシニア、女性、外国人などあらゆる人材が操作しやすいユーザーフレンドリーな機械や、自動化に貢献する装置の提案も増えると見ています。
各社はデジタル変革(DX)にも力を入れてます。IoT(モノのインターネット)やクラウドシステムにより、機械のビッグデータや人工知能(AI)技術を活用した提案が見込まれます。
展示会との併催行事ではレーザー加工とプレス加工技術それぞれで、特別講演を予定しています。日本塑性加工学会などとの連携で23講座のセミナーを計画し、鍛圧機械やレーザー加工機の最新の加工法や技術を紹介していただく予定です。
日鍛工では23年の鍛圧機械の受注額を、過去20年間で3番目の高水準だった22年とほぼ同等と予想しています。
MF-TOKYOでは最新技術で皆さまの課題解決に貢献し、共に成長していきたいと考えています。